あなたは普段イライラすることってありますか?
あまりないよ、という人もいれば、しょっちゅうイライラしてる、という人もいることでしょう。
私はどちらかというとイライラは少ない方だと思っていました。でも先日、一瞬でイライラが最高潮に達してしまった出来事がありました。
そのとき、ある方法を試したらスッと冷静になれたんです。
シンプルだけど、研究で効果が示されている方法。この記事では、イライラの仕組みと一緒に、すぐ使えるテクニックをお伝えします。
イライラを引きずってしまう人は、是非参考にしてみてくださいね。
そもそも、なぜイライラするの?
そもそも、イライラするってどういうことなのでしょうか?
まず、イライラの語源ですが、草や木のトゲのことを「イラ」と言い、それを重ねたものだそうです。
元々はトゲが出ている様子を「イライラ」と言っていたのですが、そこからトゲが刺さったときなどに感じる不快な刺激のことを「イライラ」と言うようになり、転じて、自分の思い通りにならない時などに神経が高ぶっている状況を「イライラする」と言うようになったとのことです。
自分の思い通りにならない時などに神経が高ぶっている状況、つまり、「イライラする」はまだ自分の中に感情を留めているということで、その感情を外部に発したら「怒る」ということになります。
トゲが刺さった感じが「イライラ」…なるほど、言い得て妙ですね。
じゃろ。語源を知ると、自分のイライラが”正常な反応”だとわかって少し楽になれるんじゃ。
さて、冒頭に書いたようなイライラが最高潮に達した出来事を、少し紹介しますね。
その日は10分早く家を出たのに、高速道路の入口でETCレーンが封鎖されていて一般レーンへ。タイミング悪くETCレーンが再開して後ろの車にごぼう抜きされ、さらに目の前の運転手が料金所で3分も財布を探し続ける……。10分早く出た意味がまるでなくなり、イライラはMAXに。
最終的には、何も悪くない係員さんにETCカードを冷たく渡してしまいました。
「係員さん、関係ないのにごめんなさい」と後から反省。イライラって、本来まったく関係ない人にまで飛び火してしまうんですよね。
係員さんに当たってしまうの、わかります…。イライラって、関係ない人に向かっちゃうんですよね。
そこが厄介なところじゃ。なぜそうなるのか、脳の話をしようぞい。
イライラは毒にしかならない
イライラを放置すると、自分にも周囲にも悪影響が出やすいです。
理由は脳にあります。強いイライラや怒りを感じると、脳の感情中枢である「扁桃体」が活発に反応し、理性をつかさどる「前頭前皮質」による制御が効きにくくなります。感情が先走り、冷静な判断が難しくなる状態です(一般に”アミグダラ・ハイジャック”とも呼ばれます)。
つまり、イライラしているときは「落ち着こう」と思っても、それ自体が難しくなっています。自分を責めなくていいです。脳の仕組み上、そうなりやすいのですから。
注意力も散漫になるし、行動も雑になりやすい。私のように、関係ない人に当たってしまうこともある。だからこそ、一刻も早くイライラを解放するための「仕組みを使ったテクニック」が必要になるんです。
でも、イライラMAXの時って、落ち着こうと思っても本当に難しくて…。
だからこそ、脳の仕組みに合ったテクニックを使うんじゃ。次を見てみなさい。
「客観的に自分を見る」ことで冷静になれる
イライラ解放方法は「客観的に自分を見る」ことです。
なぜこれが効くのか。カリフォルニア大学のマシュー・リーバーマン教授らの研究によると、感情に言葉で名前をつける「アフェクトラベリング(感情ラベリング)」を行うと、扁桃体の反応が和らぐことが示されています。
つまり「自分は今イライラしている」と認識するだけで、感情の高ぶりが落ち着きやすくなるのです。
全く違うことを考えるのは、感情が先走っているときの脳には難しい。でも「今、イライラしているな」という認識ならできる。そしてそれだけで、前頭前皮質が少しずつ働き始めます。
実際、ETCの件でも、「あ、自分は今すごくイライラしているな」と気づいた瞬間に、スッと冷静になり始めました。
もし、なかなか客観的に自分を見ることができないという人は、次のテクニックを試してみてください。
「イライラしてる」って認識するだけで落ち着きやすくなるって…それだけでいいんですか?
それだけでいいんじゃ。感情に名前をつけることで、脳に「緊急事態じゃない」と教えてあげることができるんじゃよ。
客観視テクニック①:「おい!○○(自分の名前)」と語りかける
なかなか客観的に自分を見ることができない人が試してほしいテクニック、それは…
「おい!○○(自分の名前)」と語りかけること
語りかけるのは心の中で構いません。
なぜ、こうやって自分に語りかけると客観的に見ることができるようになるのかというと、視野が広がるからです。
自分の名前を呼ぶのは他人ですよね?なので、自分の名前を使って、他人のように語りかけるこのテクニックを使うことで一瞬でも他人の視点に切り替えることができ、視野が広がる手助けになるということです。
さらに言うと、「おい!ユウキ!どうしてイライラしてんだ?ちょっと落ち着けよ」とか、「ねぇ!ミキ!イライラするなんてあなたらしくない。とりあえず、深呼吸して?」など、自分の名前を呼んだ後、あたかも友人にアドバイスするかのように、自分にアドバイスしてあげましょう。
ちなみに、このテクニックは、悲しい時や緊張している時など、色々な場面で活用できます。
このテクニックは、イーサン・クロス著「Chatter(チャッター)」(東洋経済新報社、2022年)という本に載っていますので、気になった人は読んでみてください。
客観視テクニック②:「生理学的ため息」で体からリセットする
アンガーマネジメントでは「怒りが高まった直後の数秒をやり過ごすのが有効」とされており、「6秒ルール」という実践法もよく紹介されます。ただ、今回はそれとは少し違うアプローチをご紹介します。
それが「生理学的ため息(Physiological Sigh)」です。
スタンフォード大学のアンドリュー・フバーマン教授らの研究で、副交感神経(リラックス系の神経)を素早く活性化する呼吸法として効果が示されています。
やり方はシンプルです。
- 鼻から短く2回吸う(1回目に大きく吸い、2回目で少し追加して吸う)
- 口からゆっくり長く吐く
これだけです。「2回吸って、長く吐く」。普通の深呼吸より吐く時間を意識的に長くするのがポイントです。
なぜ効くのかというと、息を吐くときに副交感神経が活発になるから。長い吐息が、体の緊張状態を和らげてくれます。
テクニック①と組み合わせるとさらに効果的です。「おい!○○、ため息ついてみろ」と自分に語りかけてから、生理学的ため息を1〜2回やる。頭と体の両方からイライラに働きかけられます。
そもそもイライラの根本的な原因を知りたい方は、怒りの本質や原因・コントロール方法の記事もお役に立てると思います。
「おい!オコリン、ため息ついてみろ」…やってみたら、なんか笑えてきた笑
笑えたらもう勝ちじゃ。笑いとイライラは同時には共存できないんじゃよ。
まとめ
今回は、イライラしているときの解放方法をお伝えしました。
イライラしたとき、脳は感情が先走りやすい状態に入っています。だから「落ち着こう」と思っても難しいのは当然のこと。自分を責めなくていいです。
そこで使ってほしいのが、今回紹介した2つのテクニック。
- 「おい!○○」と自分に語りかける → 他者視点に切り替わり、視野が広がる
- 生理学的ため息(2回吸って長く吐く) → 体から副交感神経を活性化してリセットする
どちらも、特別な道具も場所も必要ありません。心の中で、その場でできます。
人生、思い通りにならないことの方が多いですよね。イライラしてしまうのは人間として自然なこと。でも、そのままにしておくのはもったいない。次にイライラしたとき、ぜひ試してみてください。
この記事が少しでもあなたの役に立てば、嬉しい限りです。
