「また上司に理不尽なことで怒られた…」
「友達のあの態度、なんでこんなにイライラするんだろう」
「彼氏のネチネチした説教、もううんざり…」
そんな日常のモヤモヤを抱えているあなたに、今日は特別なことをお伝えします。
実は、そのイライラや怒りは、あなたの才能かもしれません。
え?才能?と思いましたか?
でも考えてみてください。感情豊かで物事を深く考えられるからこそ、些細なことにも心が動くのです。その感受性の高さは、使い方を変えれば強力な成長のエネルギーになるのです。
この記事は、その「才能」を具体的な「技術」に変え、あなたの毎日を輝かせるための『完全ガイド』です。
怒りの仕組みの理解から、具体的な感情コントロール術、そして心を穏やかに保つ習慣まで。この記事で紹介する「陽転思考の全技術」を実践すれば、もうイライラに振り回されることはありません。
さらに、明日からすぐに始められる「7日間実践プログラム」も用意しました。
さあ、あなたの中に眠る才能を、一緒に開花させてみませんか?
陽転思考とは、起きた出来事のマイナス面も一度受け入れた上で、「その経験から何を学べるか」「どう成長に繋げるか」を自ら選択し直す思考法で、単なるポジティブシンキングとは異なり、現実を受け止めつつ、未来をより良くするための実践的な心の技術です。
本記事では、和田裕美氏が提唱する「新・陽転思考」に着想を得て、心理学の知見を組み合わせた「怒るの研究所流の陽転思考」を解説します。
でも…イライラするだけで終わっちゃうことが多い、そんな自分でもやれますか?
もちろんじゃ!実はワシ自身も、昔は上司の一言に一喜一憂していたんだが、陽転思考を知ってから心がずいぶん軽くなったんじゃ。出来事の受け止め方を少し変えるだけで、驚くほど変化するんじゃよ。
- 陽転思考の基本原理と科学的根拠
- イライラを成長に変える4ステップ実践法
- 職場・恋愛・友人関係での具体的活用例
- 陽転思考を習慣にするコツ
そもそも「陽転思考」って何?【心の仕組みを理解する】

陽転思考って、「何でもポジティブに考えよう!」っていうのと同じですか?
それは違うんじゃよ。陽転思考とは、「出来事の解釈を自分で選択し直す思考法」なんじゃ。
ポジティブシンキングとの大きな違いは、マイナス面も受け入れて、その上で自分でどちらの考え方を採用するかを選択するところにあります。
陽転思考の科学的背景:ABC理論
陽転思考を理解するために、まず心理学のABC理論から説明しましょう。
【ABC理論とは】
これは認知行動療法で使われる、人間の感情が生まれる仕組みを説明する理論です:
- A(Activating event):出来事
- B(Belief):信念・解釈
- C(Consequence):感情・行動の結果
【重要なポイント】
Aの出来事そのものが怒りを生むのではなく、Bの解釈がCの怒りを生んでいるということです。
| 状況A | 上司から厳しく指摘された | |
|---|---|---|
| 解釈B | ・自分を否定された ・人格を攻撃された ・不当に扱われた | ・改善点を教えてもらった ・期待されているからこそ 指導してくれる ・より良くなるチャンス |
| 結果C | 怒りと涙 | 感謝と向上心 |
| 状況A | 上司から厳しく指摘された | |
|---|---|---|
| 解釈B | ・自分を否定された ・人格を攻撃された ・不当に扱われた | ・改善点を教えてもらった ・期待されているからこそ 指導してくれる ・より良くなるチャンス |
| 結果C | 怒りと涙 | 感謝と向上心 |
この表のように、同じ出来事でも考え方次第で全然違う感情になるんです!
【ABC理論と陽転思考の関係】
ABC理論は「なぜそう感じるのか?」を分析する心理学のフレームワークです。
一方、陽転思考は「どちらの解釈を選択するか?」を自分で決める実践的な思考スキルです。
つまり、ABC理論が「心のレントゲン」だとしたら、陽転思考は「心のコンパス」なんじゃ。ABC理論で感情の仕組みを理解し、陽転思考で自分に最適な解釈を選択できるようになるのじゃよ。
【実践編】陽転思考で怒りを成長に変える4ステップ

ステップ1:感情を認める【否定せず受け止める】
イライラした時、「こんなことで怒っちゃダメ」って思っちゃうんですけど…でも、怒りを認めちゃうと、もっとイライラが爆発しそうで怖いです…
その不安はよく分かるぞい。でも、感情を認めることと怒りに身を任せることは全く違うんじゃよ。感情を否定すると、かえって心に負担をかけてしまうんじゃ。
大切なのは、まず素直に認めること:
「ムカつく!」
「悲しい!」
「イライラする!」
これらの感情は、あなたが何かを大切に思っているからこそ生まれるものです。感情そのものに良し悪しはありません。
実践方法:
- 心の中で「今、私は○○を感じている」と言ってみる
- 深呼吸をして、その感情を受け止める時間を作る
- 「この感情を感じている自分も OK」と受け入れる
ステップ2:事実と感情を切り分ける【認知的距離を置く】
次に大切なのは、客観的事実と主観的解釈を分けることです。
認知的距離を置く技術:「実況中継法」
これは心理学でいう「自己距離化(Self-distancing)」という手法の実践方法です。自分の感情と状況を客観的に観察する様子が、まるでスポーツ中継のアナウンサーのようなので、この記事では特別に「実況中継法」と名付けて解説します。
心の中で実況中継してみましょう:
【職場の場合】
「はい、今日も始まりました。上司の長時間説教タイムです。今日のテーマは資料の件についてですね〜」
【恋人関係の場合】
「さあ始まりました。恋人の不満爆発タイムです。今日のテーマは私の連絡頻度についてですね〜。おっと、ここで過去のエピソードも登場しました!」
この手法が効果的な理由は、状況を客観的に描写することで、感情の波に飲み込まれるのを防げるからです。
なぜ効果があるのか?
- 問題を客観視することで感情的にならずに済む
- 状況をコントロール可能なものとして捉え直せる
- ユーモアが心の余裕を生み出す
【実践例】
NG:感情混じりの受け止め方
「上司がまた私の仕事にケチをつけてきた。私って本当にダメな人間なんだ…」
OK:事実と感情を分けた受け止め方
事実:上司が資料の修正を求めた
感情:私は批判されたと感じて落ち込んでいる
解釈:これは私の価値を否定するものではなく、仕事の改善要求だ
ステップ3:出来事から「学び」と「プラス面」を探す
でも、どうやってプラス面を見つければいいんですか?無理やり探すのも変な感じがして…
無理やり探す必要はないんじゃ。小さなことでも良いから、1つだけ見つけてみるんじゃよ。
プラス面の探し方:
学習機会として捉える
- 「この経験から何を学べるか?」
- 「次回同じような場面で、どう活かせるか?」
自分の成長を確認する
- 「以前の自分だったらもっと落ち込んでいた」
- 「冷静に対応できるようになった」
相手理解を深める
- 「この人はこういう考え方をする人なんだ」
- 「相手のプレッシャーや立場も理解できた」
具体例:プラス面の見つけ方
【職場の場合】上司に厳しく指摘された
✓ 改善点が明確になった
✓ 自分の弱点に気づけた
✓ より丁寧な仕事を心がけるきっかけになった
【恋愛の場合】パートナーと価値観の違いで衝突した
✓ お互いの価値観の違いがはっきり見えた
✓ より深い話し合いをするきっかけになった
✓ お互いを理解するための成長の機会を得た
【子育ての場合】子供が言うことを聞かずイライラした
✓ 子供の成長段階を学ぶ必要性に気づけた
✓ 感情コントロールの重要性を再認識できた
✓ より良い伝え方を考える機会になった
ステップ4:課題を分離し、自分の行動を選ぶ
最後のステップは、アドラー心理学の「課題の分離」を活用します。
自分の課題と相手の課題を分ける:
- 自分の課題:自分にコントロールできること(行動、反応、心の守り方)
- 相手の課題:相手にしかコントロールできないこと(相手の感情、解釈、行動)
ここまでの3ステップで整理できた情報をもとに、自分の課題だけに集中するんじゃ。相手の課題に首を突っ込もうとするから、余計にイライラが増すんじゃよ。下に例を3つ用意したから、気になるものを開いて見てみるがよい。
【職場の悩み】ネチネチ続く上司の説教がつらい
上司がネチネチと説教してくるんです…
【課題の分離】
上司の課題:
- 説教のスタイルを変えること
- 部下への伝え方を改善すること
- 自分の感情をコントロールすること
私の課題:
- 必要な情報だけを受け取ること
- 心の距離を適切に保つこと
- 学べることがあれば活用すること
- 次回同様の指摘を受けないよう改善すること
【選択する行動】
相手の課題は相手に任せて、自分の課題である「改善点を見つけて次に活かす」ことに集中しよう
【恋愛の悩み】彼氏の束縛や嫉妬が苦しい
最近、彼氏が束縛や嫉妬の言動をしてくるんです…
【課題の分離】
彼氏の課題:
- 不安や嫉妬の感情をコントロールすること
- 相手を信頼する力を育てること
- 自分の心の安定を保つこと
私の課題:
- 自分の気持ちを適切に伝えること
- 友人関係も大切にする境界線を守ること
- 彼氏を安心させる工夫をすること(できる範囲で)
- 健全な距離感を維持すること
【選択する行動】
彼氏の不安は彼氏の課題として、私は「自分の大切な人間関係を守りつつ、誠実に向き合う」ことに集中しよう
【子育ての悩み】言うことを聞かない子供にイライラする
子供が言うことを聞かなくて、イライラしてしまうんです…
【課題の分離】
子供の課題:
- 自分の感情を表現する方法を学ぶこと
- 失敗から学び成長すること
- 自分で考えて行動する力を育てること
私の課題:
- 感情的にならず冷静に対応すること
- 子供の成長を見守り適切なサポートをすること
- 自分の感情をコントロールする方法を身につけること
- 子供に安心感を与える環境を作ること
【選択する行動】
子供の成長は子供の課題として、私は「感情的にならず、適切な距離で見守る」ことに集中しよう
なるほど!相手を変えようとするからしんどくなるんですね。
そういうことじゃ。自分の行動を選択することで、主体性を取り戻せるんじゃよ。
この「課題の分離」をはじめとするアドラー心理学の考え方について、さらに深く学んでみたい方には、ベストセラー『嫌われる勇気』がおすすめです。対話形式で非常に分かりやすく解説されており、人間関係に新たな視点をもたらしてくれるでしょう。
【ケーススタディ】陽転思考で変わる日常の場面

実際の場面で陽転思考がどう活用できるか、具体例で見てみましょう。
ケース1:職場の理不尽な上司
【状況】
30分以上にわたって小さなミスを責められて、数ヶ月前の失敗まで蒸し返されたんです…
【従来の思考パターン】
「またか…私って本当にダメな人間なんだ。もう会社辞めたい」
【陽転思考4ステップ実践】
Step 1:感情を認める
「今、私は怒りと悲しさを感じている。長時間責められて辛い」
Step 2:事実と感情を分離
- 事実:上司が30分間、ミスについて話した
- 感情:私は批判され続けて辛いと感じている
- 実況中継:「本日の説教タイム、テーマは先月の資料ミスです〜」
Step 3:プラス面を探す
- 上司の性格パターンがよく理解できた
- 自分はこういう伝え方をしないよう気をつけようと学べた
- 長時間の一方的な話を聞き流すスキルが身についた
- 自分の心の強さを確認できた
Step 4:課題を分離して行動選択
- 上司の課題:説教の仕方、感情のコントロール
- 私の課題:同じミスを繰り返さない仕組みづくり、心の守り方
- 選択した行動:ミス防止のチェックリストを作り、心の距離を適切に保つ
ケース2:恋人・パートナーの執着的な行動
【状況】
彼氏が常にLINEの返信を求めてきて、少しでも返事が遅いとネチネチ責められるんです…
【陽転思考実践】
Step 1:感情を認める
「束縛されて息苦しい。自分の時間が奪われる感じがして辛い」
Step 2:事実と感情を分離
- 事実:パートナーが頻繁に連絡を求めている
- 感情:私は束縛感と負担を感じている
Step 3:プラス面を探す
- パートナーが私を大切に思ってくれている証拠
- 自分の気持ちを整理するきっかけになった
- 健全な関係性について考える機会を得られた
- 自分の境界線を明確にする必要性に気づけた
Step 4:課題を分離して行動選択
- パートナーの課題:不安な気持ちのコントロール
- 私の課題:適切な境界線を設定し、お互いが尊重し合える関係を築く
- 選択した行動:「大切に思ってくれてありがとう。お互いが心地よい連絡方法を一緒に考えよう」と話し合う
ケース3:子育てのイライラ
【状況】
子供が何度注意しても同じことを繰り返して、イライラが爆発して怒鳴ってしまいました…
【陽転思考実践】
Step 1:感情を認める
「イライラして怒鳴ってしまった。自己嫌悪で苦しい」
Step 2:事実と感情を分離
- 事実:子供が同じ行動を繰り返した、私は怒鳴った
- 感情:私はイライラと罪悪感を感じている
- 実況中継:「本日のイライラタイム、テーマは片付けです〜何度目の注意でしょうか〜」
Step 3:プラス面を探す
- 子供に真剣に向き合っている証拠
- 感情的になってしまう自分に気づけた
- より良い伝え方を学ぶ機会を得られた
- 子供の成長段階を理解する必要性に気づけた
Step 4:課題を分離して行動選択
- 子供の課題:年齢に応じた理解と行動の習得
- 私の課題:適切な伝え方、感情コントロール、成長を見守る姿勢
- 選択した行動:怒鳴る前に深呼吸、子供の発達段階を学び、具体的な指示を工夫する
陽転思考を習慣にする3つのコツ

コツ1:感情日記をつけてみる
毎日5分だけ、こんな形で記録してみてください。
【日付】2025年1月31日
【出来事】プレゼンで質問に答えられなかった
【マイナス】
- もう怖くて、プレゼンしたくない
- この提案は受け入れられないだろうな
- 恥ずかしくて質問してきた人に会いたくないな
【プラス】
- 失敗は成長のチャンス!
- もっと大きなプロジェクトのプレゼンでの失敗じゃなくてよかった
- 質問回答以外はうまくできた
【次への一歩】
- 自分がプレゼンする部分ばかりに時間を費やしていたので、今後は想定される質問も考えよう
- 質問してくれた人は成長のチャンスをくれたのだから感謝しよう
効果:
- 客観視の習慣が身につく
- 小さな成長を実感できる
- パターンが見えて対策を立てやすくなる
コツ2:小さなイライラから始める
大きな問題だと、なかなかプラス面が見つからないんです…
その通りじゃ。だから最初は小さなイライラから練習するのがコツなんじゃよ。
小さなイライラの例:
- 電車が遅れた
- コンビニで並んでいる時に前の人が遅い
- 雨が降ってきた
- スマホの充電が切れそう
これらの日常的な「ちょっとした」イライラで陽転思考を練習してみましょう。
例:電車が遅れた
- 読書時間が増えた
- 普段見ない景色をじっくり見る機会ができた
- 遅刻の連絡をすることで、相手への配慮を示せた
コツ3:完璧を求めない【70点でOK】
陽転思考は「心の筋トレ」のようなものです。最初から完璧にできる必要はありません。
大切なのは:
- 「今日はプラス面を1つ見つけられた」でOK
- 「イライラしたけど、深呼吸はできた」でも成長
- 「上手くいかなかったけど、気づけただけで進歩」
完璧主義だと続かなくなってしまうんじゃ。「今日も少し練習できた」と自分を褒めることが、一番の継続のコツなんじゃよ。
陽転思考7日間チャレンジ【習慣化への道】

もし「もっと本格的に練習したい」と思ったら、この7日間チャレンジに挑戦してみてください。
【陽転思考7日間プログラム】
1日目:小さなラッキー探し
- 今日あった小さな「ラッキー」を3つ見つけてメモする
- 例:「信号がちょうど青だった」「好きな曲が流れた」「笑顔で挨拶してもらえた」
2日目:小さなイライラを陽転
- 「電車が遅れた」など、小さなイライラを1つ選んで4ステップ実践
- プラス面が1つでも見つかればOK
3日目:実況中継デビュー
- 誰かの言動でモヤっとしたら、心の中で「実況中継」してみる
- 「さあ始まりました、本日の〇〇タイムです〜」
4日目:自分の短所を陽転
- 自分の短所を「〜なところが面白い」と陽転させてみる
- 例:「心配性」→「慎重で準備が丁寧なところ」
5日目:失敗から学ぶ
- 今日の失敗談を「ここから学べたこと」として日記に書く
- 小さな失敗でOK
6日目:感謝リスト
- 今日感謝できることを3つ書き出す
- 「当たり前」の中にこそ感謝のタネがあります
7日目:振り返りの日
- この1週間での心の変化を振り返る
- 「少しでも楽になった瞬間はあった?」と自分に問いかける
7日間続けられなくても大丈夫じゃよ。1日できただけでも大成功じゃ。
ゲーム感覚で楽しめそうですね!やってみます!
よくある疑問Q&A【うまくいかない時の処方箋】
陽転思考を実践していると、こんな疑問や困りごとが出てくるかもしれません。
- どうしてもプラス面が見つかりません
オコリン頑張って探してるんですけど、全然プラス面が見つからなくて…。
博士それで大丈夫じゃよ。無理に見つける必要はないんじゃ。
大切なポイント:
- まずは「こういう出来事があった」と事実を認めるだけで100点です
- 「プラス面が見つからない」と感じている自分に気づけただけでも大きな一歩
- プラス面は後から見つかることもあります。今は「保留」でもOK
時間が経って振り返ると、「あの時の経験が役に立った」と気づくこともあります。焦らず、自分のペースで大丈夫です。
- ポジティブに考えても、心のモヤモヤが消えません
オコリン陽転思考してみたけど、まだモヤモヤが残ってます…。失敗ですか?
博士いいや、それは自然なことじゃよ。陽転思考は感情を消す魔法ではないんじゃ。
理解してほしいこと:
- モヤモヤを感じながらも、「別の見方もできる」と知っていることが重要
- 感情は天気のようなもの。今は雨でも、雲の向こうに太陽があると知っているだけで心持ちは変わります
- 100%ポジティブになる必要はありません。少しでも楽になればOK
感情は波のように行ったり来たりするものです。完全に消えなくても、少し軽くなったらそれが成功です。
- 相手が明らかに悪いのに、なぜこちらが考え方を変える必要があるのですか?
オコリン相手が100%悪いのに、なんでこっちが変わらなきゃいけないんですか?納得できません!
博士その怒りはもっともじゃ。でも、ちょっと考えてみてほしいんじゃ。
陽転思考の本質:
- 相手を変えることはできません(それは相手の課題)
- 陽転思考は「自分の心を守り、自分が楽になるため」の技術です
- 相手の非はそれとして認めつつ、その出来事から自分がどう学び、どう行動するかを選ぶためのもの
「相手が悪い」と思い続けることで苦しむのは結局自分自身です。相手がその気持ちを感じ取って変わってくれることなんてありません。陽転思考は、相手を許すためではなく、自分を守るためのツールなのです。
- 陽転思考をしても、同じ状況が繰り返されます
オコリン何度も陽転思考してるのに、また同じことが起きるんです…。
博士それは辛いのう。でも、それでも意味があるんじゃよ。
繰り返される状況の中で:
- 以前よりも早く立ち直れるようになっていませんか?
- 同じ出来事でも、受け止め方が少し変わっていませんか?
- 「また同じだ」と気づけること自体が、成長の証です
状況は変わらなくても、あなた自身は確実に変化しています。そして、その変化が積み重なることで、いずれ状況も動き始めるものです。
陽転思考を実践する上での注意点【大切な心構え】

陽転思考は素晴らしい技術ですが、万能ではありません。適切に活用するために、いくつかの大切な注意点があります。
注意点1:すべての状況で無理に使わない
陽転思考って、いつでも使った方がいいんですか?
良い質問じゃな。実はそうではないんじゃよ。使わない方が良い時もあるんじゃ。
陽転思考を避けるべき状況:
- 大きな喪失や悲しみの直後:大切な家族を亡くした直後など
- 体調不良や疲労が激しい時:心身が回復を必要としている時期
- 相手が明らかに悪意を持って攻撃してくる場合:毒親、DV、職場のパワハラなど
このような時に無理にプラス面を探そうとすると、かえって心に負担をかけてしまいます。
注意点2:感情の否定はしない
陽転思考は「ネガティブな感情を感じてはいけない」という意味ではありません。
大切なのは
- まず感情をしっかりと受け止める
- 「怒っている自分もOK」「悲しい自分もOK」と認める
- その上で、必要に応じてプラス面を探す
感情は大切なメッセージです。それを無視してしまうと、本当の問題が解決されないまま放置されてしまいます。
注意点3:他人に強要しない
友達が落ち込んでいる時に、陽転思考を教えてあげようと思うんですが…
ちょっと待つんじゃ。それは危険じゃぞ。
他人が辛い時に「もっとポジティブに考えれば?」「良い面を見つけてみたら?」と言うのは、相手にとって以下のように感じられる可能性があります:
- 「自分の気持ちを分かってくれていない」
- 「否定された」
- 「軽く扱われた」
相手が困っている時は
- まず話を聞く
- 気持ちに共感する
- 相手が自分で解決策を見つけるのを待つ
- 求められた時だけアドバイスをする
注意点4:完璧を求めない
陽転思考は「心の筋トレ」です。最初からうまくできなくて当然です。
現実的な目標設定:
- 毎日続けなくても大丈夫
- プラス面が見つからない日があっても問題なし
- 「今日は陽転思考を思い出しただけでも進歩」と考える
もし、陽転思考がうまくいかないと感じたら

理屈では分かっているつもりなんですけど、どうしても気持ちが追いつかなくて…。一人で抱え込んでいるのが、少し辛くなってきました。
待つんじゃ。陽転思考は素晴らしい技術じゃが、万能ではないんじゃよ。うまくいかない時は、別の選択肢を考える時期かもしれんのじゃ。
こんな時は専門家に相談してみよう
陽転思考を試してみても、以下のような状況が2週間以上続く場合は、専門家への相談を検討してください:
専門家相談を検討すべきサイン:
- 強い怒りや不安が続いて、日常生活に支障が出ている
- 夜眠れない、食事が取れないなど、体に影響が出ている
- 自分では感情をコントロールできないと感じる
特に、「消えたい」「いなくなりたい」という気持ちが少しでもよぎる場合は、一人で抱え込まず、すぐに専門の相談窓口や信頼できる人に話してください。
相談窓口の例:いのちの電話
- フリーダイヤル(無料) 0120-783-556:毎日 午後4時〜午後9時(毎月10日は24時間)
- ナビダイヤル(有料) 0570-783-556:毎日 午前10時〜午後10時
専門家って、どこに相談すればいいんですか?
相談先はいくつかあるんじゃ。自分に合った場所を選ぶと良いぞい。
相談できる場所:
- 心療内科・精神科:気分の落ち込みや不眠など、心と体の両方に症状がある場合に。医学的な診断や薬の処方を受けられます
- 公認心理師・臨床心理士によるカウンセリング:対話を通じて、自分の気持ちや考えを整理したい場合に。じっくり話を聞いてもらえます(オンラインカウンセリングも選択肢の一つです)
- 地域の保健センターなど公的機関:どこに相談すればよいか分からない場合に。無料で相談でき、適切な窓口を教えてくれます
専門家は「受け止め方を変える」お手伝いもしてくれる
実は、専門家による心のケアでも、この「受け止め方を変える」という考え方は使われています。
例えば:
- 認知行動療法(CBT):陽転思考と同じように、出来事の捉え方を変える練習を専門家と一緒に行います
- 感情をそのまま受け入れるアプローチ:無理に変えようとせず、感情を受け入れながら、大切なことに向かって行動する方法を学びます
どちらのアプローチも、あなたが楽になるための知恵なんじゃ。専門家は、あなたに合った方法を一緒に見つけてくれるんじゃよ。
専門家に相談するのは「弱さ」じゃない
でも、専門家に頼るって、なんだか負けた気がして…。
それは違うぞい。専門家の力を借りることは、自分を大切にする強さなんじゃ。
陽転思考は素晴らしい技術ですが、それだけですべてが解決するわけではありません。必要な時に適切な助けを求めることは、自分を守るための大切な選択です。
心に留めておいてほしいこと:
- 陽転思考がうまくいかなくても、あなたが悪いわけではありません
- 専門家に相談することは、問題を解決するための前向きな一歩です
- 一人で抱え込まず、信頼できる人や専門家に話すことから始めてみてください
【まとめ】陽転思考で人生を自分でデザインする
陽転思考を練習してると、なんだか僕、無敵になれそうな気がします!
こらこら、これは心の筋トレじゃ。毎日少しずつ続けることが大切なんじゃよ。でも、人生を自分でデザインする力を取り戻すという点では、確かに強力な武器になるんじゃ。
あなたが手に入れられる変化
陽転思考を習慣にすることで:
- 感情に振り回されなくなる:出来事に反応するのではなく、自分で選択できる
- 成長が加速する:すべての経験から学びを得られるようになる
- 人間関係が改善する:相手の課題と自分の課題を分けて考えられる
- ストレスが軽減する:物事を多角的に見ることで心が軽くなる
- 自己肯定感が向上する:小さな成長を積み重ねることで自信がつく
今日から始める小さな一歩
- 今日感じたちょっとしたイライラを1つ思い出す
- 4ステップを使って振り返ってみる
- 1つでもプラス面が見つかったら自分を褒める
それだけで十分です。
最後に:あなたのイライラは才能です
改めてお伝えします。
あなたがイライラするのは、物事に真剣で、より良い状態を求める「向上心」がある証拠です。その感受性の豊かさこそが、あなたの才能なのです。
陽転思考は、その素晴らしいエネルギーの「向け方」を学ぶ技術です。つまり、あなたはすでに成長に必要な原動力を持っているのです。
怒りや不安は、成長させるための大切なサインなんじゃ。陽転思考で、そのサインを未来へのエネルギーに変えていこうではないか。
はい!まずは今日の小さなイライラから、4ステップを試してみます!
まずは今日の小さなイライラから、4ステップを試してみてください。
あなたの人生を、あなた自身の手でより豊かにしていきましょう。陽転思考が、その強力な味方になってくれるはずです。
陽転思考についてより深く学びたい方は、提唱者である和田裕美さんの著書がおすすめです。
参考書籍
- 和田裕美『人生を好転させる「新・陽転思考」』(ポプラ社、2009年)
- デビッド・D・バーンズ『いやな気分よ、さようなら』(星和書店、2004年)※ABC理論を含むCBTの基礎
- 大野裕『こころが晴れるノート』(創元社、2003年)※実践的なワークブック
- ラス・ハリス『幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない』(筑摩書房、2015年)※ACT入門書
- 岸見一郎、古賀史健『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社、2013年)※アドラー心理学入門
