あなたには恋人や後輩、部下はいますか?
もし、それらの人がなにか失敗して、あなたが叱ることになった場合、その叱り方によっては嫌われます。
また、嫌われるような叱り方というのは、叱られた方の成長も期待できません。
そして、そんな叱り方を続けていると、その人はだんだんとあなたから離れていくことでしょう。
これって、一つもいいことないですよね?
この記事では、そんな嫌われる叱り方について解説をしていきます。
併せて、好かれて、相手の成長を促すことができる叱り方についても解説します。
叱るときのクセは人それぞれで、なかなか自分では気づきにくい部分ではあるので、この記事を読んで当てはまると思ったら、叱り方を見直してみてください。
自己肯定感を傷つける叱り方が嫌われる
結論から言うと、嫌われる叱り方は「相手の自己肯定感を傷つける」ような叱り方です。
自己肯定感とは自分自身に対する肯定的な評価や自信の感じ方であり、それを傷つける叱り方とは、問題があったことだけでなく、必要以上に相手を叱責することになります。
失敗したことに対して叱られることは納得はできますが、自己肯定感をボロボロにしてくるような叱り方をしてくる人に対して、良い印象なんて抱かないですよね?
では、どういった叱り方が嫌われるのかを見ていきましょう。
恋人や後輩、部下に嫌われる叱り方
嫌われる叱り方はこういったものになります。
- 人格を否定する
- 行動を否定する
- 罵詈雑言を浴びせる
- ネチネチ怒る
- 「ふつうは」と言う
- 他人と比べる
ひとつずつ解説していきますね。
人格を否定する
「キミってホントにダメなやつだね」
「頭悪いなぁ~」
このような人格を否定する言葉を使うと、相手の自己肯定感を傷つけてしまいます。
その人を形成する過去を否定するということですからね。
また、こういう人格を否定しながら叱り人はマウントを取りたがる傾向にあるように思います。
自分は優秀で、相手は劣っていると思うからこそ、こういった言葉が出てきやすいのです。
大抵、こういう言葉を使う人は叱る時だけでなく、普段から人格を否定する言葉を使いがちなので注意しましょう。
また、他人と比較することも人格否定になります。
「〇〇さんの彼氏(彼女)は、料理上手なのになぁ」
「同期の△△くんはすごく仕事できるのにな」
など、他人と比べる叱り方というのは、言外にお前はダメだと言っているのと同じ。
こういった他人と比較する叱り方は闘争心を燃やしてくれるタイプの人には響くかもしれませんが、そうでなければ、逆効果なので取り扱いには十分注意してください。
行動を全否定する
「そんなムダなことやめろ」
「それ、意味あるの?」
行動を全否定されても、自己肯定感を傷つきます。
基本的に人はどんなことでも、自分の見出した意味に従って行動します。
たとえ、それが指示されたことをやっているとしても、多少なりとも「こうしたらやりやすくなるかな」とか「こうすると早くできるぞ」とか考えると思います。
それが、自分の見出した意味に従って行動するということです。
それなのに、行動を全否定されるということは、自分の見出した意味を全否定、つまり、存在の否定にも繋がりかねません。
飛躍しすぎだと思いますか?
でも、もしあなたも、自分が良かれと思ってやったことを全否定されたら、自己肯定感はズタズタになりませんか?
注意しましょう。
罵詈雑言を浴びせる
威圧的な人に多いのが、この罵詈雑言を浴びせるタイプ。
罵詈雑言(ばりぞうごん)とはきたない言葉で、悪口を並べ立ててののしることを言います。
こんな風に叱ってくる人、普通に嫌ですよね?
(嬉しいって人もいるかもしれませんが・・・)
昔、会社にこういうタイプの人がいて、怒るとすぐに暴言を吐き、きたない言葉を浴びせるので、周囲を怖がらせていました。
当然、周りからは嫌われていましたね。
ちなみに、その人は、部署内の人を何人も休職や辞めさせていたため、見かねた会社が別部署に異動させたことにより、憤慨して退職するという末路を辿ります。
こういった叱り方をする人はちょっとのことでカッとしやすい人に多い傾向があります。
でも、こんな叱り方をしても相手の成長は望めませんし、むしろ周囲からは嫌われ、最終的に良い結果にはなりにくいため、気をつけましょう。
ネチネチ怒る
罵詈雑言とは逆ではありますが、ネチネチと粘っこく怒るタイプも嫌われます。
高圧的ではなく、低めの温度で問題を指摘し、「ねぇ、これについてどう考えてるの?」といった質問を投げ、その回答にもネチネチと言ってくる。
さらには、過去に振り返って「あのときはああだった」とか言ってくる…
ネチネチタイプは時間が長い傾向にあり、20~30分と叱られることもザラですが、そんなに長々と叱られても最初の方なんて覚えてませんよね。
できるだけ叱られないようにしようと成長はするかもしれませんが、何言われるかわからないため報告するのも億劫になりがちですし、できるだけ距離を置きたいと思われてしまうタイプです。
「ふつうは」と言う
一番多いかもしれないのが、「ふつうは~」と言うこと。
コレを言うということは、あなたはふつうじゃないですよと言っているのと同じ。
これも存在を否定していることに近く、言われた方は自己肯定感傷つきますよね。
また、「一般的に」「常識的に」というのも同じです。
そもそも、「ふつう」とか「常識」なんて、明確にコレ!って定義されているものではなく、その人の偏見でしかないわけです。
こういった言葉を使う人は、自分は正しいと思っている人で、結構頭が固かったりします。
紹介した他の嫌われる叱り方よりは多少マシな感じはしますが、言われて気持ち良い言葉ではないので、気をつけてください。
舌打ちや嫌味も要注意!!
自己肯定感を傷つける叱り方ではないのですが、舌打ちする人も注意してください。
舌打ちは自分のイライラを表に出す行為であり、攻撃的かつ威圧的で、強い不快感を与えます。
気の弱い人だと萎縮してしまうことでしょうし、周囲としても気分がいいものではありません。
また、嫌味を言う人も気をつけてください。
「ゆっくりできて、いいご身分だね」⇒『こっちはずっと働いてるんだから、もっと働けよ』
「いや~頭いい人はやることが違うなぁ」⇒『なんでこんなこともできないの?』
遠回しに非難してくることを快く思わない人は多いですし、2つ目の例のように、最初に紹介した人格否定には直接けなすだけでなく、嫌味も含まれます。
嫌味は口癖になるのか、嫌味を言う人は同じ人なので、自分で嫌味を言っていると自覚していないかもしれませんが、一度自分が叱るときの言葉を思い出して、当てはまっていないか確認してみるといいでしょう。
好かれる叱り方の5つのポイント
さて、ここまで嫌われる叱り方を紹介してきました。
では、どうしたら、相手に成長してもらえて、好かれる叱り方になるのかを考えてみます。
ポイントは5つ。
- 叱る場所に気をつける
- どこが問題だったかの認識を合わせる
- 問題が起こった背景を確認する
- 具体的な改善案を出させる・示す
- 相手のやる気を出させる
です。
①叱る場所に気をつける
叱る場所は重要です。
小さな問題に対して叱るのであれば、そこまで気をつける必要はありませんが、大きな問題に対して叱る場合は、周りに人がいない場所にしましょう。
その際、立ったままではなく、座って話し合える場所が好ましいです。
②どこが問題だったかの認識を合わせる
相手がどこが問題だったかをきちんと認識していなければ、叱る意味は半減してしまうため、お互いの認識を合わせます。
「問題発言をしてしまったよね」
「納期が〇月〇日だったのに、間に合わなかった」
などですね。
③問題が起こった背景を確認する
認識が共通化したら、どうしてその問題が起こった背景を確認します。
上の例で言うと、
「〇〇のことで喧嘩をしてしまった」
「他の業務でいっぱいになり、忘れてしまった」
などです。
また、ここで一方的に主観を入れてはいけません。
「やる気がなかったんだろう」
なんて言うと、一方的に追い詰めてしまします。
④具体的な改善案を出させる・示す
問題と起こった背景がわかれば、次に具体的な改善案です。
可能であれば、相手に改善案を出させて、それについてアドバイスしていく形が望ましいですが、難しかったら示してあげてください。
もちろん、そこで無理難題を言ってはいけません。
⑤相手のやる気を出させる
最後に、プラスの感情にしてあげましょう。
例えば、「期待しているからな」とか「いつも頑張っているのはわかってるよ」などです。
もし、自分の失敗談とかがあるなら、ここで話せば効果バツグンです。
相手のやる気を引き出して、頑張ろうと思ってもらえれば満点です。
まとめ
この記事では、嫌われる叱り方の紹介と好かれる叱り方のポイントを紹介しました。
簡単にまとめておくと、嫌われる叱り方は、
- 人格を否定する
- 行動を否定する
- 罵詈雑言を浴びせる
- ネチネチ怒る
- 「ふつうは」と言う
- 他人と比べる
- 舌打ちをする、嫌味を言う
一方、好かれる叱り方のポイントは、
- 叱る場所に気をつける
- どこが問題だったかの認識を合わせる
- 問題が起こった背景を確認する
- 具体的な改善案を出させる・示す
- 相手のやる気を出させる
です。
すぐに改善はできないかもしれませんが、ちょっとずつ良くしていきましょう。
この記事を読んで、良い関係を築ける叱り方の参考になれば幸いです。