生まれてから、一度も怒られない人なんていません。
人間、完ぺきな人はいません。誰でもミスはしますし、ミスをすれば怒られます。
ただ、怒られやすい人と怒られにくい人がいることも事実です。
できることなら、怒られないほうがいいですよね?
では、怒られやすい人と怒られにくい人の違いってなんでしょうか?
この記事では、怒られやすい人と怒られにくい人の特徴をお伝えしていきます。
この記事を最後まで読めば、怒られにくい人になるだけでなく、周りから信頼されやすくなります。
怒られやすいんだよなぁと自覚している人も、あまり意識していない人も是非役に立ててください。
怒られにくさは信頼の高さに比例する
結論から言うと、怒られにくさは信頼の高さに比例すると言えます。
ちょっと考えてみてください。
まず、あなたがとても信頼している人と、逆に全く信頼できない人を一人ずつイメージしてください。
(できれば、2人ともあなたよりも立場が下(部下や後輩、子ども等)の方が良いです)
その2人が同じようなミス・問題を起こしてしまいました。何でも良いですが、あなたに損害が起こること、例えば、約束をすっぽかされたとか、所有物を壊されたとかがあったとします。
さて、想像上のあなたは2人に対して同じように怒っていますか?
おそらくですが、全く信頼できない人よりも、とても信頼している人に対しての怒りのボルテージは低いのではないでしょうか?
信頼しているということは、日頃から頑張っている人だったり、誠実な対応をする人だったりで、あなたが認めた人です。そういった人がミスをしても、あまり怒りは湧いてきません。
逆の場合は…わかりますよね。
信頼ができない=そもそも認めていないということなので、ちょっとしたことでも怒りは湧いてくることでしょう。
信頼があれば怒られにくく、信頼がなければ怒られやすい…つまり、怒られにくさは信頼の高さに比例するということです。
信頼の貯金=信頼残高
怒られやすい人と怒られにくい人の特徴を解説する前に、『信頼残高』という言葉を紹介します。
信頼残高とはスティーブン・R・コヴィー著『7つの習慣』という本に出てくる言葉で、銀行等に預けている貯金のことを預金残高と言いますが、信頼の多さを預金残高に例えた言葉になります。
ですので、信頼残高は信頼の貯金だと思ってください。
『7つの習慣』はとても有名な本なので、読まれたことがあるかもしれませんね。
信頼残高も預金残高と一緒で多いほど良く、多ければ多いほど信頼されているということになります。
ここからは、信頼残高が増える・多い(=信頼されている)とか、信頼残高が減る・少ない(=信頼されていない)というように表現します。
怒られやすい人の特徴
怒られにくい人になるためには、怒られやすい人を知っておいたほうが良いです。怒られにくい行動を取っているのに、怒られやすい行動も取っていたら、ブレーキを踏みながらアクセルを踏むのと同じで、意味がないですからね。
さて、怒られやすい人というのは信頼残高が少ない人です。では、信頼残高が少なくなる人ってどんな人なのでしょうか?
信頼残高が減っていく人の特徴を見ていきましょう。
言うことを聞かない
まず、一番、信頼残高が減る人というのは、言うことを聞かない人です。
あなたは指示したことをやらない人がいたら怒りますよね。
それとは逆で、誰かから指示されたことをやらなかったら、怒られます。
基本的に、怒られるということは信頼残高が減ったと考えられます。
もちろん、中には、指示内容が明らかにおかしい場合もあるかもしれません。そういった場合、勝手に指示とは違うことをするのではなく、指示者に話をするべきです。もし、あなたが勝手に正しいことをやった場合、「変な指示をされたけど正しいことをしました」ということになり、指示者の顔に泥を塗ることになるからです。
結果としては正しいかもしれませんが、人によっては生意気なやつと思われ、信頼残高を減らしてしまう可能性があるでしょう。
言い訳をする
言い訳する人も信頼残高を減らす原因の一つに挙げられます。
言い訳とは、自分のした失敗・過失などを正当化するために事情を説明することです。つまり、「私は悪くない」と言っているんですね。
これは実体験なのですが、私が若い頃、1ヶ月ほど海外出張に行くことがありました。基本的に毎日その日あったことや課題等をまとめた報告書を書き、メールで送らないといけないのですが、日中は業務で忙しくて報告書を書く時間がないため、仕事が終わってホテルに帰ってから報告書を書くことになります。
ただ、仕事が終わった後って、食事に誘われるんですよ。そして、大体お酒を振る舞われます。私はお酒に強くなく、飲むと寝てしまう体質なので、今でこそ断ったりするのですが、若い頃だと周りが年上の人ばかりなので、なかなか断ることができません。そうなると、少しはお酒を飲むことになり、ホテルに戻っても力尽き、報告書が書けない日が続きました。
結果、帰国後に当時の上長に呼び出され、報告書をあまり送らなかったことに対して怒られる羽目になったのですが、若かったこともあり、そのとき何を思ったのか「お酒を飲まされて」と言い訳してしまったんですよ。もちろん、その後はめちゃくちゃ怒られました笑
怒っている相手が何を聞きたいのか考えれば、「私は悪くない」ではないとわかりますよね。もちろん、冤罪の場合は、しっかりと弁解を行う必要がありますが、怒られたくない一心で言い訳ばかりしている人は信頼残高の低下、ひいては怒られやすい人になる原因となるため、注意してください。
話している最中に割り込んで自分の主張をする
相手が話している最中に割り込んで自分の主張をすることも信頼残高を減らす原因になります。
基本的に、伝えたいことがあるから話ってしますよね。それなのに、話をしている途中で、邪魔されたらいい気はしません。
さらに言うと、怒られているときに「いや」とか「でも」と言って、自分の主張や言い訳をしようとする人が結構います。怒られている側としては聞いてほしい言い訳があるのでしょうが、そのタイミングが悪い人ってめちゃくちゃいるんです。
この話の途中で割り込んで自分の主張をするっていうのは、あまり意識せずにやってしまうようなので、話の途中で言いたくなることがある人は、割り込んでいないか意識してみてください。
同じことを何度も質問する
同じことを何度も質問する人、要注意です。
当たり前のことですが、質問に答えるのって時間を使います。他にもやることがあるのに、貴重な時間を使って教えたことを何回も聞いてきたらどう思いますか?
言う言わないは別にして、「メモしろよ!」ってなりますよね。
中には、何度でも教えてあげるから聞いてねっていう心の広い人もいますが、そんな人でも4回も5回も同じことを聞かれたら、嫌になるはずです。
2回までは大体セーフなので、2回目聞いても覚えられそうにない場合はメモを取るようにして、「こないだ言ったよね!」と怒られないようにしましょう。
自分のミスを他人のせいにする
- あの人が言ったから…
- こうしろって言われたので…
- あいつが勝手にやったんです
立場にもよりますが、こういった自分のミスを他人のせいにする人も信頼残高が減りやすい人と言えるでしょう。
他人のせいにするのって、言い訳と同じで、「自分は悪くない、あの人が悪いんだー」って言ってるのと同じことですよね。
ミスや問題って自分一人だけが原因じゃないことが多々あります。そして、本当に自分は悪くないことだってあります。そういうときは仕方がないですが、もし、ペナルティから逃げたいがために、他人にミスの原因をなすり付ける人は信用を失いかねません。
人って結構見ています。「ああ、この人は自分のために、他人を売る人だな」と思われたら最後です。
こんな風に信用を失った場合、すぐに人になすり付ける人というレッテルを貼られ、人のせいにするなと怒られるようになるか、人が離れていくことでしょう。他人のせいにしがちな人は注意してください。
ただ、「立場にもよる」と書いたのは、他人のせいにしても仕方がないとなる立場があるからです。
例えば、新入社員。新入社員は右も左もわからないので、最初のうちは先輩社員から指示を受けて仕事をします。それでミスして、「◯◯さんにこうするように言われてやりました」と言っても、信用を失うことはないでしょう。
でも、そこで味をしめて、他人のせいにするようにならないようにしてくださいね。
ルールや約束を守らない
ルールや約束を守らない人というのは、信頼残高がめちゃくちゃ減りやすいです。
なぜなら、家でも学校でも会社でも、決められたルールを守らなかったり、時間等の約束を守らない人というのは、周りに損失を与えかねないからです。
そのルールや約束の重要度にもよりますが、最初は注意程度であっても、何度も守らないことがあれば、当然怒られます。もし、それが損失の大きいことであれば、一発で大目玉を食らうことでしょう。そうなってしまうと、信頼残高が一気になくなります。
そういった人はちょっとのことでも怒られやすくなってしまうので、ルールや約束は極力守るようにしましょう。もし守れなさそうな場合は、早めに連絡したり、別の手を打つなどして、周りに与える損失を減らすようにしましょう。
怒られるときに笑っている
いつも笑っている人がいます。笑うこと自体は素敵なことなのですが、怒られる雰囲気になっても笑っている人っているんです。
会社内であったことなのですが、他部署の若手が社内システムのメンテナンスを担当している人にお願いをしに来ていました。この他部署の若手というのが、いつもニコニコ(ニヤニヤ?)している人なのですが、持ってきたお願いがめちゃくちゃだったのか、メンテナンス担当の人は「こんなことお願いされても困る。あ~だ、こ~だ」と説教を始めたんです。その間、その若手は「そうですよね~ハハッ」と笑って聞いていました。
怒られているときというのは、何かしらミスをしたときが多いですよね。ですので、怒っている人は相手が反省した態度で、自分の言っていることを考えてもらいたいと思っています。ですが、いつも笑っている人というのは、なにも考えていないように見えたり、バカにしているように見えてしまうため、怒りの火に油を注いでしまうのです。
会社でのやり取りに話を戻すと、最初の内は良かったのですが、案の定、他部署の若手はメンテナンス担当に「笑うな!!」と怒られていました。
いつも笑っている人というのは、悪気があるわけでなく、そうすることが一番良いと思っているから笑っているのだと思います。でも、怒られている最中に笑うのは、相手をさらに怒らせるだけです。もちろん、信頼残高も減ることでしょう。
結構レアケースだとは思うのですが、もし当てはまりそうであれば注意しましょう。
日頃から行動や身だしなみに気をつけていない
日頃から行動や身だしなみに気をつけていない人は、いつの間にか信頼残高が減っていっているかもしれません。
というのも、行動や身だしなみに気をつけない人は、不必要なことで人を不快にさせている可能性があるからです。
例えば、食事をしているときにクチャクチャさせながら食べたり、くしゃみや咳を口を塞がずにしたり、すごくだらしのない服装をしていたり・・・要は、あまり一緒にいたくないと思われる行動や身だしなみですよね。いい人だったとしても、正直、不快です。
そして、こういった人は、いかに仕事等ができたとしても、残念な人として信頼残高が上がりにくいです。ミスを起こさない人であればいいのですが、ミスしたついでに行動や身だしなみについて怒られる可能性があります。
人と接しないのであれば気にする必要はありませんが、行動や身だしなみに気をつけないのは、怒られること以外にもデメリットが大きいので、少し意識しましょう。
怒られにくい人の特徴
次に、怒られにくい人について解説します。
怒られにくい人=信頼残高の多い人ということですが、もちろん先に紹介した怒られやすい人の逆をやれば、信頼残高は増えていきやすいです。それに加えて、こういうことができる人は信頼残高が増えていきやすいって特徴を紹介しましょう。
コミュニケーション能力が高い
コミュニケーション能力が高い人は普段から周囲と良い関係を築きやすいです。良い関係を築けるということは信頼残高を増やしているということになります。
ですので、そういった人がミスをしても許されやすいか、愛のある説教になりやすいです。
イメージしてみてください。普段から仲の良い人と仲良くない人、同じミスをしたとしても、仲が良い人の方が許しやすいですよね?
特に、可愛がられている人というのは、信頼残高がめちゃ高い状態なので、怒られたとしても少しのことで済む可能性が高いです。媚びる必要はありませんが、できることなら積極的に周囲と良い関係を築いておきましょう。
あ!もちろん、コミュニケーション能力が高いからといって、周りに嫌われるようなことばかり言っていたら、逆効果ですけどね!
色々なことに気がつける
色々なことに気がつける人も信頼残高を増やしやすい人です。
いわゆる、「気が利く人」というやつですね。
気が利く人は相手が欲することを先回りで考え、準備する力があります。例えば、何かの作業をしているときに、次に使う道具をサッと準備してくれたら、「この人、やるな」って思いますよね。
また、こういう人は他の人に比べて余裕ができやすいため、柔軟にミスに対応しやすいです。
さらに言うと、先回りで考えられるということは、複数ある選択肢から最適解を選ぶ能力がある、つまり、逆に危険な選択肢も察知しやすいため、そもそもミスが少なくなります。
こういったこともあり、色々なことに気がつける人というのは、信頼残高が増えていきやすいです。
ちなみに、この能力、元々高い人もいますが、練習で習得することができます。
練習に最適なのが、飲み会や食事会です。
常に周りを観察しながら、飲み物が少なくなってきたら注文してあげるとか、料理を取り分けてあげるとか、粗相をしたときに先回りで対応してあげるとかしていたら、先回りして考えられる力がついてくることでしょう。結構大変ですけどね。
堂々としている
普段の態度によっても、信頼残高は変わってきます。
考えてみてください。
自信を持ってハッキリと主張できる人って、自信なさそうにおどおどしている人に比べて、信頼できそうな気がしませんか?
堂々としている人って、立場が上の人だったら、付いていきたくなりますし、立場が下の人だったら、任せてみようと思えます。
もちろん、普段の行いに問題があるとダメです。例えば、間違ったことを押し通そうとしたり、横柄な態度を取ったりしていたら、信頼を通り越して、信頼を失っていきます。
誠実な行いができるという前提ではありますが、自分が正しいと考え、その根拠を持つことは、周囲からも一目置かれることでしょう。
まとめ
さて、この記事では怒られやすい人と怒られにくい人の違い、つまりどういった人が信頼残高を減らすか・増やすかということを解説しました。
ここまで読んでみて、あなたはどうでしたか?
信頼残高を増やせている人でした?それとも、減らしている人でした?
信頼残高を増やせていそうというのであれば、そのまま継続してください。
逆に、やべっ!減らしてそう!!って人は、1つずつでいいので、意識して改善してみてください。徐々にですが、減った信頼残高も増やしていけることでしょう。
ちなみに、特別な怒られにくい人を最後に紹介しようと思います。
特別な怒られにくい人…それは、コイツに言ってもムダと諦められている人です。
どんなアドバイスもどんな説教も聞く耳持たず、常に我が道を行っている人に、何かを言おうという感情を持つのは時間のムダですよね。
実際に、何度言われても全く行動を改善しない人を知っていますが、周りの人は完全に諦めている状態になっています。(ただし、いないところで文句は言われてます)
ということで、「怒られない人」という観点では最強なのですが、もちろんそんな状態になってしまうと信頼残高も0(というよりマイナス?)であり、怒られないことの代償に人が離れていきます。困ったときに助けてもらえない可能性もありますので、あまりこれは目指さないようにしましょう笑