怒りという感情は、人間にとって必要不可欠な感情の一つです。
怒ることで、自分自身や周りの人々を守ることができたり、自分自身の価値観を守るために必要なアクションを取ることができたりするでしょう。
では、怒ることって良いことなのでしょうか?悪いことなのでしょうか?
本記事では、怒ることのメリット・デメリットを考えることによって、怒りが良いことなのか、悪いことなのかを考えていきます。
先に結論だけ書いておくと、怒ることは自分自身や周りに悪い影響を与えることの方が多いのですが、うまく使うことができれば、怒りの感情は非常に有用なものだと判断しました。
どんなメリットやデメリットがあるのか、どうしてこういう結論に至ったか、一つ一つ詳しく説明していくので、是非最後まで読んでみてください。
そもそも怒りって何だろう?
下記ページでも同じことを書いていますが、怒りは簡単に言うと、自己防衛本能です。
どういうことかと言うと、怒りは、不快やストレスを感じたときに、その原因を排除するために生じる感情だからです。
例えば、あなたが友人と意見が食い違い、口論になったとします。
そのとき、ストレスを感じますよね?
そこで、「怒り」が登場しなかったら、ただただ友人にボロクソに言われてお終いです。
(もちろん、怒るのが苦手な人もいますが、その場合、そもそも口論にならないです)
ストレスの原因である友人を論破して排除してやろうというのが、この場合の「怒り」という感情となります。
つまり、「怒り」という感情は、自分自身や自分の周りに危害が及ぶ可能性がある状況から逃れるための自己防衛本能、というわけです。
怒ることで生じる5つのデメリット
普通に考えて、怒ることってあまりプラスなイメージはないですよね?
なので、まずは怒ることのデメリットから紹介しましょう。
怒ることで生じるデメリットは、
- 人間関係が悪化する
- その場の空気が悪くなる
- ストレスがかかり、健康にも良くない
- 継続した怒りは時間の無駄
- 疲れる
というものが考えられます。
一つ一つ詳しく見ていきましょう。
デメリット1:人間関係が悪化する
怒ることは、人間関係の悪化につながる可能性があります。
まず、怒る側だった場合を考えてみましょう。
自分が怒る側ということは、相手が怒られるようなことをしたわけですよね?
ということは、相手に対する信頼度が下がります。
場合によっては、次の機会が与えられなくなるぐらい、信頼度が失墜する可能性だってあります。
次に、怒られる側だった場合を考えます。
怒られるというのは気持ちが良いことではないです。
(世の中には怒られることが好きな人がいるかもしれませんが・・・)
ですので、怒ってくる人とはあまり関わり合いたくないですし、もし、間違った怒り方をするような人であれば、その人のことが信用できなくなるかもしれません。
もちろん、怒ることに至った状況や二人の信頼関係にも依りますし、その後のお互いのフォローによっては、より良い関係が築けることもあるでしょう。
ただ、一般的に考えて、怒ることは人間関係を悪化させるというデメリットがあると言えます。
デメリット2:その場の空気が悪くなる
怒ることは、その場の空気・雰囲気を一気に悪くします。
また、相手に対して怒るまでいかなくても、イライラしているだけでも、場の空気は悪くなります。
あなたも経験がないでしょうか?
怒っていたり、イライラしている人と同じ部屋にいると、自分が悪くなくても逃げたくなってしまう経験が。
あれって嫌ですよね~。
ですので、怒ることのデメリット2つ目は場の空気を悪くするです。
デメリット3:ストレスがかかり、健康にも良くない
デメリット3つ目は、怒るとストレスがかかるということです。
言うまでもなく、怒りは強いストレスです。
それは怒られた人だけでなく、怒った人にとっても。
考えてみてください。
怒り、もしくは、イライラの途中や後ってスッキリしてますか?
そんなことないですよね?恐らく嫌な気持ちになっていると思います。
嫌な気持ちってのはもちろんストレスです。
しかも、ストレスって健康を害することも知られています。
つまり、怒ることはストレスがかかる、ひいては、健康にも悪影響を及ぼす可能性があるということです。
デメリット4:継続した怒りは時間の無駄
怒りは時間を無駄にするというデメリットもあります。
どういうことかと言うと、怒りやイライラって対象の相手がいて、初めて感じる感情になります。
(ただし、対象の相手は自分自身だったり、人ではなく国や特定の団体だったりもあります)
その相手に対して、怒りの感情を持ち続けるのって、それ以外のことに脳のリソースを十分に割けないということです。
やってみてもらえばわかると思いますが、イライラを維持したまま、別のことをしっかり考えることって、めちゃくちゃ難しいはずです。
怒りの感情は生産性のあることではない上に、別の思考の妨げになるなんて、イライラを維持することは時間の無駄だと言えますね。
ちなみに、私はこのことを、呪われたと言ってます笑
あなたがずっとイライラしている間、相手はそのとき美味しいものでも食べて、幸せを感じてるかもしれませんよ?
そんなのバカバカしいですよね。
心や脳を相手に呪われている状態は、本当に無駄なので、できる限る早めに切り替えることにしましょ。
デメリット5:疲れる
デメリット5つ目ですが、怒ることは疲れるということです。
怒りの感情は強いエネルギーであり、それを維持する、もしくは、相手にぶつけることは、それ相応のエネルギーを消費します。
怒った後って、大きなため息をついてしまわないですか?
ため息って、元気なときにはあまり出ないですが、疲れてくるとよく出ます。
やはり、怒ることでエネルギーを消費し、疲れてしまうんです。
怒ることで得られる3つのメリット
さて、怒ることのデメリットを紹介しましたが、メリットってあるんでしょうか?
実は、あるんです。
それも、使い方によってはとても大きなメリットになりえます。
怒ることで得られるメリット、それは、
- 高みを目指すためのモチベーションになる
- 相手に本気だということが伝わる
- 重要視している価値観を知ることができる
です。
こちらも一つ一つ詳しく見ていきましょう。
メリット1:高みを目指すためのモチベーションになる
デメリットでも説明しましたが、怒りの感情はそれ自体が強力なエネルギーです。
そして、その強力なエネルギーを上手に使うことで、より高みを目指すためのモチベーションにすることができます。
なぜなら、「あの人を見返してやりたい」や「次はあいつに絶対に負けない」等の気持ちも、ただ考えるだけでは持続することは難しいですが、湧き上がる怒りが根底にあれば、それを原動力にして、行動することができるからです。
私のことを例に挙げると、あることがきっかけで「会社にしがみつくのはやめよう」と決心し、副業に挑戦することにしました。
ちなみに、その副業はバイトをするとかではなく、自分の商品を作る系のものだったので、自分で時間を確保して、行動しなければいけません。
休みの日なら確保しやすいのですが、平日は会社なので、定時の間はやれませんし、残業したら、さらに時間の確保が難しくなります。
そして何より、仕事終わりは疲れた状態だということ。
だから、本業で忙しい時期が続くと、疲れたから副業の方は明日にしよって先延ばしにしがちなんですよね。
そうして、やる気がおきない時期が続いたことがあったんです。
そんなときに、会社で怒りの感情を刺激されることがあり、会社を辞めたいという気持ちが湧いてきたため、それを原動力に、気持ち新たに副業に向き合うことができ、商品を完成させることができました。
こんな風に、高みを目指すためのモチベーションにできるというのは、怒りの大きなメリットだと言えますね。
この記事に怒りのエネルギー活用法を書いたので、よろしければどうぞ~
メリット2:相手に本気だということが伝わる
相手に対して怒りの感情を示すことは、そのことが本気であるということを相手に伝えることができます。
考えてみてください。同じことを言われた場合、下記のA、Bだとどっちが本気だと思いますか?
A:笑いながら言われる
B:真剣な表情で怒りながら言われる
言うまでもなく、Bの方が本気だと感じますよね。
例えば、子どもが危ない遊びをしようとしていた場合、親が笑いながら「危ないからダメだよ~」なんて言っても、恐らく効果はないでしょう。
一方、「危ないからダメ!」と怒られた場合はどうでしょうか?
子どもの性格にもよりますが、少なくとも笑いながら言われるよりも伝わるはずです。
これは社会人でも同じことで、上司から笑いながら怒られても、あまり反省の気持ちは湧いてこないと思いますが、本気で怒られたら、かなりの反省をするはずです。
自分の本気を伝えられるというのは、怒ることのメリットの一つと言えるでしょう。
メリット3:重要視している価値観を知ることができる
怒りの感情は、重要視している価値観を知ることができるというメリットもあります。
ハンター×ハンターという人気漫画を知っていますか?
そのハンター×ハンターに
「その人を知りたければ、その人が何に対して怒りを感じるかを知れ」
というセリフが出てくるのですが、そのセリフ通り、どんなことで怒るのかを知ることで、その人が重要視している価値観がわかるのです。
だって、人によって怒るポイントは違いますよね?
あなたは何をされたら怒りますか?
ぶつかられたら?
悪口を言われたら?
失敗されたら?
家族に危害を加えられたら?
恐らく、怒らないと言われている人でも、どこかでは怒るポイントがあるはずです。
その怒るポイントというのが重要視していることなんです。
ということで、もし自己分析をする際に、怒りのポイントを考えてみると意外な一面がわかるかもしれませんね。
まとめ
さてさて、ここまで怒ることのメリット・デメリットを考えてきました。
では、怒ることは良いことなのか、悪いことなのか…
どちらかというと、怒ることは自分自身にも周りにも悪い影響の方が多いと言えます。
ただ、一方で、怒りの感情を上手に使うことができれば、非常に有用であることもわかってもらえたかと思います。
人は生きていく上で、他の人と関わらざるを得ません。
人と関われば、大なり小なりあれど、怒りの感情を刺激されることも出てくるでしょう。
そういったときに、うまいこと怒りの感情を活用できるといいですね。