近年、ストレス社会と言われる中、多くの人々が日常的にストレスを抱えているとされています。
このような状況下で、些細なことでもイライラしやすい人、すぐにキレてしまう人が増えているようです。
では、よく怒る人、つまりキレやすい人にはどのような人が多いのでしょうか?
本記事では、キレやすい人にはどんな人が多いのかについて考えていきます。
キレやすい人って、なんでそんなに怒りっぽいの?
実はキレやすさには、性格や育ってきた環境、心理的な特性が深く関わっておるんじゃ。今日はそのメカニズムを一緒に見ていくぞい!
キレやすい人=周りにストレスを与える困った人

「キレやすい」とは、人が怒りやすく、感情的になりやすいことを表します。
この状態になる人は、小さなことでもイライラし、すぐに怒鳴ったり、物を投げたりすることがあります。
また、自分が正しいと思っていることに対して他人が異論を唱えると、攻撃的な言動を取ることがあります。
したがって、キレやすい人というのは、周囲の人たちにストレスを与えやすく、そのために仕事や人間関係などの問題が生じやすい、困った人ってことです。
うん、できれば近寄りたくないですよね?
キレやすい人の近くにいると、いつ怒りが爆発するかヒヤヒヤするのう。どんな人がなりやすいか知っておくと、少し心構えができるぞい。
自己愛の強い人もキレやすい?

自己愛というのは、自分自身に対して高い関心を持ち、自己肯定感が強く自分を良く見せようとする性格傾向のことを指します。
このような自己愛が強い人は、自分に対する自信や優越感が強く、自分を愛することに喜びを感じます。
しかし、その一方で、自分を優位に見せたいという欲求が強く、自分の主張が受け入れられなかったり、自分の思い通りにならない状況に遭遇すると、怒りやすくなる傾向があると考えられます。
なぜなら、自己愛が強い人は、自己肯定感が高いが故に、他者からの評価に敏感です。
そのため、自分にとっての「正しい」と思うことが他者から攻撃されたり、批判されたりすると、自分自身を正当化するために怒ることが多くなると考えられるからです。
自己愛が強い人が怒りやすいって、何か研究とかあるの?
あるんじゃ!心理学者のBushman&Baumeister(1998年)の研究で、ナルシシズムが高い人は侮辱を受けると相手に対して強い攻撃性を示すことが実証されておる。これを「ナルシシスティック・インジュリー(自己愛的傷つき)」と言い、自己愛が傷つくと激しい怒り——「ナルシシスティック・レイジ」——が引き起こされるんじゃよ。
対人的優位性が高い人はキレやすい?

体力・話術・社会的地位など、対人場面で相手を上回るアドバンテージを「対人的優位性」と呼びます。
屈強な体格の持ち主や、話術に長けた人、社会的地位が高い人などは、相手から反撃されにくく、言い負かされることも少ないです。つまり、怒りをぶつけた方が手っ取り早く主張を通せる、という体験を積みやすい環境にいます。
たとえば上司や親など、立場が上の人間に怒られたとき、なかなか言い返せませんよね。それと同じで、自分が優位な関係では「キレれば主張が通る」という学習が起きやすくなります。
なんか…それって怒りを「使って」るってこと?
そうじゃな。怒りを意識的に使っているわけではないが、「怒ると思い通りになる」という経験が繰り返されると、怒りが問題解決の手段として定着しやすくなるんじゃ。これは学習の一形態と言えるぞい。
他者の攻撃的な言動をよく見ている人もキレやすくなる傾向がある

カナダの心理学者アルバート・バンデューラが行った「ボボ人形実験(1961年)」をご存知でしょうか。
この実験は子どもを対象にしたもので、他者の攻撃的な言動をよく見ている人もキレやすくなる傾向があることを示す観察学習(モデリング)の代表的な研究です。
実験内容を簡単に説明しておくと、まず複数の幼児を3つのグループに分けます。
【1つ目のグループ】
ボボ人形(日本でいうところの起き上がりこぼし)に対して攻撃的な言動をする大人の映像を見せた。
【2つ目のグループ】
ボボ人形に対して攻撃的な様子を全く見せない大人の映像を見せた。
【3つ目のグループ】
映像を見せなかった。
さて、その後、それぞれのグループをボボ人形のある部屋に入れたとき、どうなったか?
ボボ人形に対する攻撃的な言動を取るのが、2つ目・3つ目のグループよりも、1つ目のグループがはるかに多かったとのことです。
子どもって大人の真似するんだ!
そうじゃ。これが「観察学習(モデリング)」じゃ。攻撃的な行動を観察することで、その行動を学習・模倣しやすくなるんじゃよ。この実験は子どもが対象じゃが、大人も同様に、日常的に攻撃的な言動を目にしていると、それが「普通の反応」として学習されていく可能性があると考えられておるんじゃ。
キレやすい自分を変えたいときは?

「もしかして自分もキレやすいかも…」と感じた方もいるかもしれません。
怒ること自体は、人間の感情の一つであり、適度な範囲であれば問題ありません。
しかし、怒りの頻度が多い・強すぎると感じるなら、いくつかのアプローチが効果的です。
- 怒りのトリガーを知る:何に対して怒りやすいかを把握することが第一歩
- 6秒ルール:怒りのピークは約6秒。その間をやり過ごすだけで衝動的な行動を抑えやすくなる
- 攻撃的なコンテンツを避ける:観察学習の観点から、日常的に暴力的・攻撃的な映像を見ることを減らすことも有効
- 怒りの記録をつける:いつ・何に・どれくらい怒ったかを書き出すことで、パターンが見えてくる
怒りは「悪いもの」ではなく、うまく付き合えばよいサインにもなるんじゃ。まずは自分の怒りのパターンを知るところから始めてみてくれい!
まとめ
今回の記事では、怒りやすい=キレやすい人について考えました。
キレやすい人は、
- 自己愛が強い人(自己愛的傷つきで怒りが引き起こされやすい)
- 対人的優位性が高い人(怒りが「効果的な手段」として学習されやすい)
- 他者の攻撃的な言動をよく見ている人(観察学習により攻撃行動が模倣されやすい)
に多いと考えられます。
もちろん、このような人たちが全員キレやすいというわけではないと思いますが、キレやすい傾向にあると考えられます。
怒ること自体は、人間の感情の一つであり、適度な範囲であれば問題ありません。
しかし、怒る頻度が多い人には、一定の距離を取ることがお互いのためかもしれませんね。
キレやすい人の背景には、こういった心理的なメカニズムがあるんじゃ。相手を責めるより「なぜそうなるのか」を知ることが、上手な付き合い方への第一歩じゃぞい!